第4章 前の席 《イナGO 霧野》
霧野君は、どうやらその人の手を持って叩く事を阻止してくれたみたいだ。
女子達「き、霧野君!」
その場にいた女子全員の顔が青ざめていた。
霧野「何やってるんだ。1人によってかかって…」
女子2「ち、違うの!これは…」
霧野「何が違うんだよ。おもいっきり叩こうとしてたよな?イジメとか……
すっげー軽蔑する。」
そう言った霧野君は、凄く冷めた表情をした。
その場にいた全員が固まるぐらい怖かった。
霧野「行こう、美月。」
と、霧野君は私の前に来て、手を掴んだ。
いくら、その場にいた人が固まっていたって、凄く恥ずかしかった。
星楽「う、うん。」
ただ、とりあえず霧野君に着いて行った。
霧野君は校舎の裏庭まで来た時、足を止めた。
そして、おもいっきり振り向いた。
霧野「大丈夫か!?怪我とかなかったか!?」
星楽「え、うん。大丈夫だよ。それより、どうしてあそこに…?」
霧野「山菜が、星楽が何人かの女子と一緒に体育館裏に行ってた!
って言って、嫌な予感がして…」
なるほど、茜が言ったんだ。
ああ、茜!凄く助かった!
霧野「…でさ、さっき言ってた事って本当…?」
そう聞いてきた霧野君の顔はかなり赤かった。
星楽「さっき?私、なんか言ったっけ?」
霧野「えっと、その…俺の事好きだって……。」
………!?そういえばさっき、勢いに乗って大声で叫んでしまった!!
思い出した瞬間、私の顔は、ぼんっと真っ赤になった。
星楽「そ、それはその!…えーっと!あ、う、はい。」
い、勢いで告白してしまった!
私は今、人生で一番と言っていいほど恥ずかしかった。
霧野「いや、お、俺、嬉しかったから…」
星楽「え?」
霧野「俺、1年の頃からずっと美月の事、好きだったんだ。」
ええええええ!!??
星楽「な、なんで私?」
霧野「前、俺が怪我したとき、全然話した事なかったのに絆創膏くれたよな?
そのとき優しいんだなって思って、目で追ってる内にどんどん好きになって」
う、嬉しい。
霧野「俺と付き合ってくれないか?」
星楽「こちらこそ!」
こうして前の席の彼は、素敵な彼氏になりました。
《END》