第10章 身支度
司に触れられていたのは9時過ぎくらいまでだった。
その後、少し乱れた髪型をちゃんと直したり服を整えたりした。
陽「おかしいところはないよね。」
司「ん、いいと思う。
そうだ、最後に姉貴に挨拶しとくか。
何かおかしかったら姉貴が気づくだろ。
大丈夫だとは思うけどさ。」
陽「え?」
司「行くぞ、俺も家まで送るから。」
椿「そっかあ。時間だね。
陽南ちゃん、今日は楽しかったわあ。
また是非来てね。ご両親によろしくね。
あとでお電話しておくから。」
陽「本当に今日はありがとうございました。
お食事も美味しかったですし、お姉さんとお話できてとても嬉しかったです。」
椿「私もよ。
あら、陽南ちゃん、スカートと胸のあたりに少し変なシワがついてるわね。
ちょっと待って。
まだ時間があるわよね。
美佐子さん、スチームアイロン持ってきて。」
司、陽「え?え?」
二人で慌ててしまい、思わず真っ赤になってしまう。
陽「え?ど、どこに。」
椿「スカートの前側と、ほら、胸のあたりに。
こんなシワが。
普通に座ってたらつかなくない?
司、あんたちゃんと考えてあげなさいよ。
いっそワンピースは脱いでた方が良かったのかもね。」
陽「お、お、お姉さん…!!!」
司「んなっ、何言ってんだよ!!
なんもしてねえし!!」
お姉さんと別室で身支度をし直す。
うわ、ものすごく恥ずかしい。
でもお姉さんは特に気にする風でもなく、手際よくスチームアイロンで数本のシワを伸ばしていく。
確かにソファで司が私の上に覆いかぶさっていた時にできたシワだと思う。
椿「ん、これでよしっと。
じゃあね、陽南ちゃん。またね。」
陽「はっ、はい。ありがとうございました!
し、失礼します!」
挙動不審になってしまった。
もうやだ〜!!!