第10章 失われた記憶の真相...
「っあ!」
その場に座り込むリョウガ。
「っしっかりしろ!」
(っ記憶を消されて......こんなに苦しんでる......
きっと、ユリちゃんも同じように......)
「っリョウガ君!」
(さっきのユリと同じだ......)
宏光もできるだけ近くに歩み寄った。
「っパパに......ママに会いたいよ......」
リョウガの目からは涙が出ていた。
「パパと、ママ?」
「っうぐ......!」
「っ......」
(一体どうすりゃあいいんだよ......)
何もできない自分に苛立ちを覚えた宏光。
「っ俺は......」
「「「......?」」」
「俺は......北アメリカで生まれた、狼?
パパとママ......死んだ?
......王子?」
「リョウガ、君?」
(記憶が、戻りかけている......?
しかも王子って......どういうことだ?)
太輔が頭の中で考えていると、階段を急いで下りてくる音が聞こえてきた。
「っリョウガ!
お前......こんなところにいたのか......」
「「「っ!?」」」
そして7人は一斉に目を見開いた。