第3章 不穏な心
ぼんやりとその光を見つめていると、
すぐ隣から視線を感じた
赤司さんを見ると、彼はもう空を見ていなかった
赤司さんは私を見ていた
まっすぐに、私を
目がそらせなくて、
私も赤司さんを見つめた
「………君は」
「はい」
「聞かないのか?」
「何をですか?」
「今日、君を呼んだ理由」
「…教えて下さるんですか?」
「教えないよ」
「………………」
「冗談だ」
くすくす笑う赤司さん私は少しだけムッとした
何というか、からかわれた感じだ
「ただ、君と少し話したかっただけだよ」
「…それだけですか?」
「あぁ、それだけだ」
「…でも、昼間も沢山話しましたよ?」
「足りないさ」
赤司さんの手が、また私の頬を滑る
「足りない」
あれだけじゃ、全然
そう呟いて、赤司さんはゆっくりと顔を近付けてきた