第34章 会えない二人
それからして、丸山さんは言ってた通りにライブツアーの準備が始まり会えなくなった
私にプレゼントしたアルバムが発売されて
丸山さんのテレビ出演も増えた
二人で会うより、テレビで丸山さんを見る方が多かった
丸山さんは、私に見せてた笑顔を元気に見せてた
その笑顔が本当に胸に痛かった
いつも、側にあるのが当たり前だったから
でも、寂しさは胸のペンダントが支えていた
丸山さんのLINEの返信も少なくなってきていた
それは忙がしいんだろと思った
だから我慢しようと決めた
だから、私は仕事をたくさん入れた
丸山さんを思い出さないように
新しい店の事もあるし
自分の技術をつけたかったから
だから、私は必死で働いた
今日も朝一から予約を受け入れた
ロッカーで仕度をしているとアイツが話し掛けて来た
「...なぁ、大丈夫か?疲れた顔してるで」
私はロッカーを閉めながら
「大丈夫だよ、」
そう言って私は笑った
「何を無理してるんや?」
私は、その言葉に答えられなかった
私は、丸山さんに会えない寂しさを仕事で埋める事しか出来なかったから
「無理なんかしてないよ、さぁ今日も頑張ろ!」
そう言って、私は店に向かった
お客様が来て驚いた
私は朝一のお客様を二人予約を受けていたのだ
本来なら絶対にしない間違いをしてしまった
私は焦っていた
お客はどちらも急ぎなので、どちらかを待ってもらうわけにいかない
そこに彼が声をかけて来た
「もし、良かったら私にさせて頂けませんか?」
一人のお客様が納得して、大きなトラブルにならずに終える事が出来た
そのお客様を帰したあとに、ロッカーに戻った彼を追った
「ありがとう」
ロッカーでタバコを出してる彼を捕まえて、お礼を言った
すると、彼は私を見ながら
「なぁ、ほんまにどうしたん?」
冷たく私に言ったのです
「えっ?」
私は、彼の冷たい言葉に怖さを感じた
「お前らしくないやん?」
そうだ、私は何してるんだろ?
頑張る事に空回ってる自分に始めて気がついたのでした
「本当にごめん」
私は、彼に謝るしかなかったのでした