第23章 現実
次の日に、私は仕事に行った
すると、ドタキャンのアイツとロッカーで会った
私に気がついた彼は、気まずそうに俯いた
私から声を掛けるのも変なので、無視して準備をした
するも彼は、静かに近寄って来た
「俺、悪いと思ってないから、俺の気持ちを言っただけやし」
そんな彼に、私は何を言えばいいんだろ?
私は考えた
「私は、丸山さんと別れる気はないから...」
それだけ告げると店に向かった
店では店長に休んだ事を頭を下げた
店長は私を別の部屋に呼び出した
私は、何かと不安になった
一回の休みでクビ?
焦ってる私に、店長は扉を閉めて
二人きりになった
「実は、新しい店舗を作る事になったんだよ、だから新しい店を君に頼みたいんだけど、どうかなぁ?」
私が驚いていると、店長は話を続けた
「一人で切り盛りするのは、大変だから君の相棒を誰か選らんで欲しい...、あと、何人かは連れて行ってもいいから」
私の夢がこんなに近くに
「あと、この話はハッキリするまで、他言はしないでくれ」
そう言うと店長は部屋から出て行った
私は、何が何か分からずにいた
みんなの所に戻っても、店長の言葉が頭から離れなかった
そんな私にも、予約のお客様は来る
お客様の髪を整えながら、私は現実を見ていた
私は髪を切るのが仕事...
私の夢は自分の店を持つ事...
その夢がもう少しで届きそうになってて
私の心はまた揺るいでいたのでした