第51章 パパはじめました【赤司征十郎】
「黒子くん、コーヒーどうぞ」
「ありがとうございます」
「征くんも飲むでしょ?」
「あぁ、いただくよ」
将棋を片付けて夏姫たちのいるテーブルに向かい、椅子に座りコーヒーを一口飲んだ。
「これ、か~し~てっ」
「いいよ~」
向こうでは息子たちがちょこんと座り込みおもちゃを広げ遊んでいた。
久しぶりに会う黒子と話すのはお互いの近況や子育ての事ばかりだった。
「テツヤくんってば、あの子に絵本ばかり読んでばかりいて公園で遊ぶのは私ばかりなんですよ」
「私もですよ!征くんってば、おもちゃばかり買ってくるから置く場所に困ってるの」
「僕だって公園で遊んでますよ。たまにですが…」
「オレも最近は制限している。仕事が早く終わったら遊んでいるだろ?」
たまに…だが…
最近はイクメンと言うのが増えていると黄瀬が言っていた。
オレも黒子もそのイクメンの中に入っているはずだ。
「じゃあ、今から公園で遊びに行ったら?」
「いいですね。その間私たちはゆっくりしてますから」
夏姫に行ってらっしゃいと、お砂場セットとボールを持たされ黒子と息子たちと一緒に見送られてしまった。