第41章 片思い【青峰大輝】
席替えしても青峰くんとの距離は変わらない。
片想いってツラい。
興味すら持たれてないから余計に。
部活に来ても青峰くんは練習しないから、距離も縮められないし。
ああ、何かないかな?
きっかけ
「ねえ、夏姫ちゃん」
「どうしたの?さつきちゃん」
「夏姫ちゃんは好きな人とかいるの?」
「え!?」
それは突然やって来た。
「好きな人!?」
「いるんだ~」
「えっと…」
「青峰くんでしょ?」
何でわかるの?
「図星だね。私もいるんだ~好きな人」
さつきちゃんもいるんだ。
やっぱり青峰くんだよね。
「はあ~やっぱりいいよね~……テツくん!!」
ん?
テツくん?
「聞いてよ!!この間テツくんと…」
さつきちゃんの好きな人青峰くんじゃ無いんだ。
よかった…
「そしたらテツくんがね…」
ボールの音を背後にさつきちゃんの好きな人の話を聞かされていると。
「夏姫ちゃん!!危ない!!」
「………え?」
後頭部に衝撃があった後、真っ暗になりそのまま意識を手放した。