第22章 誓いのキス?【氷室辰也】
私は保健室に連れていかれると、ヒールを脱がされた。
「少し赤くなってる」
軽い靴擦れをしたらしく赤くなっていた。
「大丈夫だよ。これくらい」
「ダメ。ちゃんと手当てしないとね」
氷室くんは手先よく手当てしてくれた。
「はぁー……緊張したね」
「そうだね」
今になってようやく解放されて緊張がなくなった。
「モデルはもういいや」
「オレも…」
氷室くんは私にかけてあったヴェールを降ろした。
「今度これを着るのはいつになるんだろうね…」
「え?」
それって…
「オレの隣でまた着てくれるよね?」
「私でよければ」
「夏姫じゃなきゃダメだよ…」
氷室くんはヴェールを上げる。
視線が合わさると同時に私たちは自然と唇を重ねた。
まるで誓うように。