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【ハイキュー】エンノシタイモウト

第32章 【劣化版】


そして男子排球部の部活の時である。

「えええ縁下さん。」
「何だい、日向。」
「美沙って怒ると超怖いんですねねねねね。」
「あはは、いきなりどうしたんだ。」
「えーとそれが」

山口がそおっと口を挟んで今日月島達と目撃した事を話す。
途端力の顔が少し暗くなった。

「そうか。」
「全然関西弁喋らないしすっごく怖かったです。」

日向が震えながら言う。

「しかもあいつ、」

影山も言う。

「珍しく知らねー奴相手に目ぇ合わせてました。」
「そこまでしなきゃいけないくらい腹たったんだろうな。」
「俺、美沙怒らせないようにしよ。」

顔を青くする日向に山口が言う。

「日向は大丈夫じゃないの、美沙さんに意地悪しないだろ。」
「まあでも安心したよ。」

力は呟いた。

「何でですか。」

日向が尋ねる。

「違う事は違うってちゃんと言えるんだって。」
「心配しすぎでは。」

月島が言った。

「あいつ、たまに馬鹿に呼びつけられるのも見ますけどいっぺんも応じてませんし。」

月島はここでちらと力を見た。

「ボケで貴方によっかかってますが弱くはないと思いますよ。」
「そーだよなっ。」

日向がニカッと笑って言う。

「縁下さんの妹だもんなっ。」
「そうだな。」

力もつられてクスリと笑った。

さて、美沙は早速言いつけ通りに図書室で過ごし、力が部活を終えた頃合いに部室棟までやってきた。月島に来たよアホの子などと言われる事を覚悟したが今回は月島から特にコメントがなかったのには内心驚いた。
そうして美沙は排球部の連中と一緒に帰る形になった訳だが、

「あー、あいつら見てたんや。」
「ああ、日向が怒らせないようにしようって言ってた。」
「日向は意地悪ちゃうから心配いらんと思う。」
「山口も似た事言ってたな。それより気になるんだけど。」
「何。」
「嫌な事する奴には抵抗できるのに何で及川さんにはズルズル引きずられてるのかがわからない。」
「いや別にいじめられてへんし慣れてくうちにお友達になった、みたいな。」
「ならなくていい。」

力は不機嫌そうに呟き、困った美沙はまあまあと言ってそんな義兄の肩をパムパムと軽く叩いてみた。力はため息を吐き、その様子を見ていた成田と木下がお互い目配せをしていた。

次章に続く
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