第5章 テンカン
あっさりと許可を得た俺は足を高々と振り上げ
「んじゃ、お宝ごたーいめーん」
目の前の鍵付きのドアを蹴破った。
うん、中々な蹴り答えだ。
ぜってぇここにも宝置いてあるな!!
確信を持って部屋に足を進める。
少し埃っぽいが、何処かにあるだろうと目をすがめると、床に横たわる何かを発見した。
「ん?」
「どうした?」
俺のあとから入って来たペンギンが、立ち尽くす俺に聞き返す。
どうしたって、ペンギン。
「ヒト…」
「は?」
怪訝な声音のペンギンに答えてる暇はなかった。
俺は嫌な予感と共に反射的にその横たわる誰かに駆け寄る。
「おい!!」
近くまで来ると戦闘のせいで麻痺した鼻に新たな血の匂いを感じる。
それはどう考えても目の前の誰かから放たれていて…。
それに気付いたペンギンが俺の横に膝をついた。
「奴らの仲間じゃねぇな。」
「どう考えてもこの傷は可笑しいだろ…」
全身真っ赤だ。
なのに所々見え隠れする打撲のあとが痛々しく、髪の毛は何色なのか、血で固まってプラスチックのようになっている。
髪の毛と血が固まって表情を伺うどこの話ではないのだ。
「…大方、人身売買でもするはずだったんだろ。」
ペンギンがいう意味がわかる。
血だらけだがこれは子供だ。
物好きなやつには子供というのは中々高値で売れるという話を聞いた事がある。
力の抜けた手を取れば、冷たすぎる。
しかもこの上なく痩せていた。
「クソ野郎だな…」
思わず毒づく俺を無視して同じように手をとったペンギンが、なにに気付いたのか顔色を変えてその子供の頭の部分と膝の部分に手をいれた。
「どうしたんだよ!!?」
勢い良く持ち上げられる子供を見ながらペンギンに問えば、歩き始めたペンギンが少し振り返って
「生きてる。」
そう一言言った。