• テキストサイズ

空ハ青

第32章 マナザシ




「やだ、ちょっと、予想外っていうか、待って!!」

息も絶え絶えにそういった店員さんは、私の後ろを涙目で見据えた。

「何なのこの子!!」

誰に話しかけているのだと思えば、私の背に影が差す。

「今までの奴と違うってわかったか。」

そこには船長さんがいて、不機嫌そうに言い放った。

それに店員さんは手を振って答える。

「あぁもうわかった、わかったわよ。全然違うもの。」

「あの…。」

「もういいだろ、試着も面倒だ、飯に行くぞ。」

そう言って刀で私の頭を一度叩くと、船長さんは何時はいってきたのかわからないが、この部屋を出て行く。

話に全くついていけなかった。

戸惑いつつも船長さんに続けば、店員さんはもう笑収めていたようだった。

「嫌でもわかったわよ。だってその子、ガチガチに緊張しているくせに、怯えてなんていないんだもの。」

すねるように言われて、私は唖然とする。

さっきまでのアレは何だったのかと、そう言いたくなるような程だ。

「あ、キャプテン終わったの?」

「ん、飯だ。」

「アイアーイ!!」

店の玄関に向かいながらベポくんがくるりと振り返る。

私ではなく、店員さんを、だ。

「後でトウカのものは取りにくるね!!またね、ダン!!」

その呼ばれた名前に違和感を覚え、振り返ろうとした私を強い力が押しとどめた。

「えぇ、また後で。」

耳元で聞こえる声に、店員さんだというのがわかる。

しかし、その一瞬後

「お前もな。」

全身を痺れが駆け抜けるようなテノールが囁かれたなんて、私しか知らない。






/ 183ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp