第50章 ボーイズトーク*青峰*火神*高尾
「あれ?高尾どこ行った?」
口喧嘩も終盤に差し掛かったところで、ようやく火神は高尾がいなくなったことに気付いた。
「トイレじゃねーの?てか、そろそろ俺ら出番だろ?」
二人はバスケコートを出て、高尾を探しに出た。
火神が公園の方に視線を向け、高尾らしき人影を見つけた。
「お!あれじゃねーか?…誰かと一緒にいるけど。」
二人が目にしたのは女の子を抱き締める高尾の姿だった。
ただし、その表情はいつものあっけらかんとしたものではなく、相手に完全に心を許しているような柔らかいものだった。
「…あれに声かけれねーよ。」
「それでも行かなきゃマズイだろーが。」
声をかけるのを躊躇して少しの間沈黙が流れたが、火神が口を開いた。
「…あいつも彼女いんだな。」
「緑間と付き合えるくらい人当たりいいやつなら、そりゃいるだろ。」
すると、高尾が二人に気付き彼女を連れて向かってきた。
「お前ら喧嘩長すぎるぜ!てか、そろそろだろ?迎えに来てくれてサンキュな!」
「お前の彼女か?」
「そ!めちゃ可愛いだろ!」
照れる様子もなくにかっと笑って彼女を紹介する高尾に、二人は少し尊敬すらしてしまった。
「次真ちゃんたちのとこだろ?やりずれー!」
「うちの主将もいるし、3Pシューター二人もいるぜ。厄介だな…。」
「あの腹黒メガネ何しでかすかわかんねーしな…。ま、勝つのは俺らだろ?」
「当然!」