第3章 部活に入ろう
奏side
えーっと、火神くんたちはたしかこっちの方に…………。
人混みをかき分けながら火神くんの後ろ姿を追っていると、さっき連れていかれた先輩の姿が見えた。
たぶんここがバスケ部であってるよね?
緊張をほぐすように深呼吸をしてから
バスケ部の集団に近づいて声をかける。
「す、すいませーん……」
……………………。
………………あ、あれ?
気づいてもらえないよ?
「あのー……」
どうしたらいいか分からずキョドっていると
一番背が高い先輩と目が合った。
「ひっ…………」
こわいよこの先輩何メートルあるの……?!
思わず後ずさりながら様子を見ていると
隣にいる先輩の肩をたたき、私を指さした。
「んー?どーした水戸部……って、誰その小さい子!」
火神くんに連行されていた先輩の声で、
ようやく全員が私の存在に気づいてくれた。
………………のはいいんだけど……。
背の高い先輩男子集団に見下ろされて
さっきまで言おうと練習していた言葉が
全部ぶっとんでしまって固まる。
やばいやばい思い出せなんでもいいから言わなきゃ!入部前なのに先輩から目をつけられるなんてやだよどうしよう!?
「あ、あああの……その……」
目が泳ぎまくる。
どどどどうしよう……(ピグ○ット風)