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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第44章 Aiming for an “APPLE”


銃口と対峙した菊には、ある疑念があった。

あのときのアルフレッドは、何らかの異変――意識障害に襲われていたのではないか?

「本当に……謝ってすむことじゃないけど……」

ぽつりと、アルフレッドがうつむいたまま、重たい口を開く。

「ごめん……」

「もう、あんなことしないでくださいね」

「……ごめん……」

本当に、どうしたものか。

なんだかんだ、アルフレッドは異変解決のため、世界を多少(多少か?)強引にでも、まとめる役割を果たしていた。

そんな彼がこんな状態では、全体の士気に関わる。

それに、協力体制も脆くなってしまうだろう。



「臨時ニュースをお伝えします。ジェームズ・A・フィッツパトリック原子力発電所にて、レベル2のアラートが宣言されました。今後、レベル3の“サイト緊急事態”への更新が懸念されていることから、州は緊急時計画区域の住民に対して避難指示を――」



「おいおい……マジかよ」

カーナビのテレビから流れるニュースに、菊は血の気が引いていった。

同時に、我ながら無責任と思える期待が湧いてくる。

(公子さん、あなたが来たこと、そしてまだ留まっているということは……“これ”を解決するためなのでしょうか……?)

けたたましいサイレンの中、逃げ惑う人々を見ながら、菊はそう思わずにはいられなかった。
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