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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第44章 Aiming for an “APPLE”


『……そのままプログラムと消去されたいんですか?』

『ちょっライヴィスウウウウ!!』

ライヴィスの冷たい声とトーリスの叫び声で我に返る。

エドァルドさんのあまりの公式イケメンオーラに圧倒されてしまっていた。

いかんいかん。唐突にお花畑空間が出来上がってしまったが、事態の深刻さを思い出す。



自己破壊プログラムを止めるには、外に出なければならない。

当然うようよいる黒い靄が襲ってくるが、それをかいくぐり、電波塔まで行く。

そして、頂上にある“APPLE”を直接操作する。

そうしなければ、いや、そうすれば、香くんを元に戻せる――



「俺も連れてけ、なんだぜ」



ぎい、という扉が開く音ともに、ヨンスが現れた。

頭と肩に巻かれた包帯が痛々しい。

慌てて駆け寄ると、ヨンスは寝る前と打って変わって、余裕たっぷりな笑みを返してきた。

「まだ傷が……!」

「へーきなんだぜ。公子の一人や二人担げるくらいには!」

「休んでてください。ハッキングなら僕が――」

「あの“バグ”の処理で手いっぱいのくせに、よく言うんだぜ」

「っ!」

図星を突かれたように、エドは言葉を詰まらせた

バグ、とはあの黒い靄のことだろうか?

確かにあれを何人、何個も相手にするのは簡単ではないだろう。

ハッキングの片手間に、というのはエド本人も無理だとわかっているようだった。

「そっちのお2人さん、俺がさっき送ったデータは読み込めそうなんだぜ?」
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