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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第43章 In the Ghost town


「えっ、ちょ――!」

恥ずかしさに顔を覆いたくなるが、そうすると振りきられてエドの腕の外に飛び出してしまうので、おとなしくエドの首に手を回す。シュバッと、それはもう早い動作で。

不思議なことに、足元や手に絡まっていた靄が、ゆっくりと薄れていった。

走ってる内に風とかで振りきれたのだろうか?

というか、エド、めちゃくちゃ足が速い。

そもそもなぜ彼がここに!?

そんな私の疑問に気づいたのか、物凄いスピードで走りながら、エドがにっこり微笑した。

「ご存じでしょう? 僕は頭脳派なんです」

……さっき思いっきり殴り倒してましたよね?

私がかろうじて1つのツッコミをすると(表情で)、エドの眼鏡のレンズに、ネオンブルーの色で数式が流れ始めた。

まるで、パソコンの画面を反射してそうなっているように。

「公子さん、この仮想空間で筋力がモノを言うと思いますか?」

ピピーッ、とアラームが鳴る。

目の前の地図では、私を示す青丸と星印がほぼ重なっていた。

「だから、“彼”にもきっと理由があるはずです」

「……彼って?」

エドは私の質問に答えず、走る足を止めた。

辿り着いたのは、なんの変哲もない家だった。

エドは当然のように扉を開けると、土足で玄関に入っていく。

日本によくある内装だった。

家具や電化製品の配置、壁、床、天井。

どれをとっても、奇妙なほどの既視感ある。

いや、見たことがあるとか、懐かしいとか、そんなレベルじゃない。

「なんで……」




――ここは、私がうまれた家だ。
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