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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第42章 諸刃の刃の切っ先で 


「どこだここ……誰か知ってますか?」

エドァルドの問いに、トーリスとライヴィスは首を振る。

固まったままの私を見て、エドァルドの顔が曇った。

「公子さん……?」




血まみれのロヴィーノ。

アントーニョに強く握られた手の痛み。

私に何かを託し、涙を頬に伝わせた“彼”。




ゴーストタウンには、そんな記憶が張りついていた。

行きたくないと思ってしまった。

また、誰かを失ってしまうのではないかと――

「プログラムを同期……そんな、ありえない……」

ぶつぶつ呟くライヴィスに、エドァルドの注意が移る。

ライヴィスは頭を抱え、半泣き状態であった。

そこに追い打ちをかけるように、周辺機器のひとつがピピピと音を立てる。

ひいっ! と飛び上がるライヴィス。

同時に、音が鳴った機械の顔面に、青白い図形が浮かび上がった。

「これは、手形……?」

「あっ、触っちゃだめですっ!」

触れようとしたエドァルドを、血相を変えたライヴィスが突き飛ばす。

エドァルドはソファにぽすんと着地。

「ちょ、ライヴィス!?」

「だって、それに触ったら画面の中に行っちゃうんですよ! ゲームみたいに!!」

「「「えっ!?」」」

文句を言おうとしていたエドァルドと、固まっていたトーリスと私の叫び声が重なった。
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