第28章 on the planned system
「これな、フェリちゃんに作ってやろうって、ロヴィが練習してたパスタなんや!」
「よっ、よよ余計なこと言うんじゃねぇっ!」
「絶対喜んでくれますよ! こんなに美味しいんですから!」
100パーセントの笑顔で力強く言うと、ロヴィが真っ赤になって「ぐっ……!」と言葉を詰まらせた。
かと思えばビシッと私を指さし、口をモゴモゴさせ、やっとのことで、
「あ、甘いんだよ! あの調子に乗った馬鹿弟をぎゃふんと言わせるくらい、超絶うまいパスタが俺の目標地点なんだよ!!」
などと、ほとんど叫ぶように言い放った。
にやけすぎないよう、とりあえず愛想笑いを浮かべる。
すると、ちょんと腕がつつかれた。
親分が手招きするように、手をヒラヒラしている。
耳をかせ、ということらしい。
親分の口元に耳を寄せると、
「最近、異変関係でフェリちゃんがルートや菊にべったりやから、拗ねてんのや」
なるほど。
「だからなんかアドバイスとかあったら、味でも盛りつけでもなんでもええから、ロヴィのために遠慮なく言ってくれな!」
耳を離すと、アントーニョがウィンクするように微笑んできた。
マジちょっと親分てば親分すぎる。