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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第24章 下位互換カソード


いや、待てよ。

私は悪友たちと“消失点”でテレポート(この言い方が正しいか否かはひとまず置いておく)したのだ。

『ダメもとで発信器を置いといて移動先を調べようとしたが、あるとき忽然と電磁波がとだえた』

アーサーはそう言っていた。

菊の最新高性能痛発信器は、“再帰点”で電波を発信し、場所を知らせることはなかった。

沈黙。

発信器は“消失点”で文字通り消失したのだ。

消失したのが発信器という物質なのか、電波なのか、それはわからない。

ならば、私に付けられた“GLONASS”もそうなのでは? それともロシア製は違うの? なにそれ怖すぎる。

しかも、私は世界移動――トリップして、元の世界に戻ってきたのだ。

この移動でも、発信器は電波を発信し続けるのか? どこへ? 時空を越えるの? ロシア製ってそうなの? なにそれおぞましい。

「あの、発信器っていっても――」

「よしっ、行くぞ!」

「は……はい!?」

急に立ち上がり、拳を握って宣言したギル。

突拍子もないその行動に困惑していると、ギルがニィっと犬歯をみせた。

しかも、あろうことか、いたずらを思いついた子どものような目をしている。

なんだか、とても嫌な予感が――

「図書館にだ!」
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