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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第15章 廃マンションにて


「起きたのか」

「「!」」

びくっと顔を上げると、部屋の入り口にルートが立っていた。

私もアーサーも、その気配に気づかないほど自分の世界に入っていたらしい。

「具合はどうだ」

「二度も本当にすみません、少し頭が重いくらいなので、もう大丈夫だと思います」

私がそう申し訳なさそうに言うと、ルートは一瞬安堵を浮かべるも、すぐさまその口元をひきしめた。

そりゃ二度も同じことを繰り返してるものね。

肩身狭い心地だが、三度目がないとも限らないと考えると、ため息をつきたくなった。

自分の体はどうなってしまったのやら。

「フェリシアーノの話だと、パソコンに触れたら様子がおかしくなったようだが」

「はい。ファイルを見ようと操作し始めたら、急に鼓動がおかしくなって……」

ふむ、とルートは頷いた。

瞳がいろいろと考えにふけっていた。

病院で精密検査を受けよう、なんてことを言い出しかねない様子だ。

「とにかく、早くこんなところから出るぞ」

「出て、それからどうすんだ?」

間髪入れずにアーサーが言った。

ルートは厳しい顔だ。

「……それを今考えている。公子を連れ回すことなどしたくないしな」

言いにくそうな声色のルートに、アーサーは「しゃーねぇな」とため息をついた。

わざとらしく大仰に首をふり、やれやれと立ち上がる。

なにをするつもりなのか、私とルートが顔を見合わせると、

「隠しておきたかったが……仕方ないな」

と、思わせぶりに口をひらいた。

ついてこいと背中で示し、部屋を出ていく。

わけもわからないまま、私とルートはそれに続いた。
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