第5章 悲惨な過去
時刻は18時すぎ。
入るとそこには
同じ黒髪、澄んだ瞳。
似ている。
「…私は、財前環奈と申します」
「秋月司だ。
その様子だと知っているようだな。
俺が亮に頼んだんだが…
そんなに緊張するな。
…久しぶり、環奈。
といってもおぼえてないよな」
優しい、司様。
「改めて言おう…環奈。
おまえと亮は実の兄妹だ」
改めて言われると驚く。
別にショックというわけではない。
私と亮の育った環境が違いすぎる。
じゃあ私が今までお父さんだと
思っていた人は?
「これから順をおって話す
今まで、秘密にしていて悪かった
環奈、亮」