第1章 赤い月…
ドライヤーを取りに行って
自分の前をトントンと
叩きながら咲希を呼ぶ
藤「咲希ちゃん、
ここ座って?」
咲「はーい♪」
素直にちょこんと座る咲希
ニヤニヤしながら
こっちを北山が見てくるけど
あえて気づいてないフリをする
咲「ふふふ。
なんか眠くなっちゃう♪」
藤「はいっ、おしまい♪
咲希ちゃん髪サラサラだね♪」
咲「んー?ありがとー♪」
トロンとした目で
藤ヶ谷を見ながら伝える咲希に
一瞬照れた藤ヶ谷は
咲希の横に座りなおし
誤魔化すためにシャンパンを
口に流し込む
咲「あぁー、太ちゃんが
私のシャンパン取ったー。
返してよー。」
藤「え?」
俺の手からグラスを取り上げ
満足そうに飲んでいる