第14章 その名を呼ぶ創始者
「そのバカな口裂いてやってもいいのよ、クソガキ。」
「「「えっ!?/なっ…!!」」」
恐ろしいくらいの形相で、みさきを睨んだ少女にみさき、琉架、時雨は驚いた。
「えええええ!!??い、今…なん、ええ?!」
みさきはパニックになり、思ったことがうまく喋れなくなった。
少女の後ろで千歳君は困ったような、笑っているような顔をしている。
「だ、大丈夫?みさき君!」
「一旦、落ち着こうぜ。みさき君。」
琉架と時雨がみさきを落ち着かせようとしている中、少女は立ち上がり、「あたしは一五結希。一前寺高校の3年だから。」と言った。
「あ、高3だったんですか。すいません、…えっと、一五さん。」
「す、すいません…でした…!ははは…。」
「別に、分かればいいのよ。次、年下扱いしたら今回のようにはいかないわよ。あと、そんな堅苦しい敬語とかいらないから。」
みさきは、年下扱いするな・堅苦しい敬語はいらないなんて、どうすればよいか一瞬迷ったがそっとしておくことにした。
「じゃあ、結希さんって呼ぶっすね。よろしくお願いします、結希さん。…これで全員自己紹介した…か?」
時雨が見渡しながらそう言った。
すると、四人の輪の外から「はい…、俺まだです。」と手を挙げながら千歳が言った。
「千歳 龍也です。初宮中学2年です。」
「性格は泣き虫です。」
千歳が言い終わると同時に、一五が付け足した。あまりにも悪意が感じられるその行為に、その場にいる誰もが一瞬言葉を失った。
「っ…。」
「結希さん!いくら何でも言いすぎです!」
「ホントのことじゃない。ねえ、千歳。そのことはあんたが一番分かってるんじゃない?」
「い、石依…さん。大丈夫ですから、話を続けましょう。結希さんは、間違ったことは言っていませんから…。」
「それじゃ、本題に入るけどみんな大丈夫か?何かあったら早めに言ってくれると助かるぜ。」
時雨は皆を見渡した。
何か物言いたげな人もいたが、おそらく本題とは関係のないことだろうと思い、時雨は話を続けた。
「なさそうだな。よし、結希さんさっき言ってたことを話し合うんで、もっかい言ってもらってもいいっすか?」
結希は機嫌の悪そうな顔をしながら、時雨に従った。