第7章 「なお あなたに逢いたい」
2014年の私の意識が2004年の私の体に入ってる間、2004年の私の意識は2014年に居たんだろうか。
理屈としてはそうなると思うんだけど。
もしそうだったなら、私はどう思ったんだろう。
翔ともう一緒に居てはいない自分を見て。
想像以上の場所に居る翔を見て。
こんなのイヤだ!って思いながら、ここに戻ってくるのかな。
それとも、ほんの少しだけ「やっぱりな・・・・・」って思ったのかな。
そのどちらにしても。
そのどちらでもなく、他の思いであったとしても。
別れるその日まで、翔を悲しませないであげて。
翔と一緒に笑ってて。
たくさん手を繋いでて。
入れ替わるであろう私へと、離れていく肉体の細胞に想いが染み込むよう、必死に念じ続けた。