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戦国夢想(戦国無双3、戦国無双4)

第40章 無双学園生徒会執行部。『March』(逆ハー)



そして、いよいよ卒業式当日…ーーーーー。



いつもよりも早く目が覚めた私は一人キッチンに立つ。
淹れるのは熱々のコーヒー。
生徒会室に置いてあるものと同じドリップコーヒーだ。
いつもは微糖かミルクだけなんだけれど、今日はちょっぴり砂糖を多めに。


先輩達の晴れのこの日、頭がしっかりと働くようにと糖分を。


「よし!行ってきます!」

出掛ける頃に漸く起きてきた寝惚け眼の母にそう告げて、私は家を出た。

天気は晴れ。

それだけで心が躍る。


「……三成先輩?」

玄関を開けて、会える筈のない人が門の外に立っていて思わず鞄を落としそうになる。

「あぁ、やはり早いなお前は」
「どうして……」

静かな微笑みを浮かべて立っている三成先輩は私に手を差し伸べた。




「最後の日くらい、一緒に登校しようと思ってな」
「………っ、」

嬉しくて、涙が出そうになる。
でも、泣くのはまだ早いよね。

「行くぞ、」
「……はいっ!」


二人で同じ制服を着て、歩く通学路。
これが最後だと思うと…一歩一歩大事に歩きたくなるなぁ…。

「」

もうすぐ学校、と言う所で三成先輩が足を止める。
振り返って顔を見つめると、ドキッとするほど真剣な顔をしていた。


「お前が…生徒会に来てくれて良かったと思っている、そして…俺の隣に居てくれる事もだ」
「三成先輩……」
「これからの不安もあるだろうが、お前の真摯な姿勢はきっと皆に伝わるのだよ。だから、生徒会として堂々としていろ」



胸に、響く、激励の言葉。

震える唇を必死に動かして私も言葉を紡ぐ。


「三成先輩、私……ーーーー」




「先輩っっ!!!」

話そうとした瞬間、
豊久くんの大きな叫びが聞こえてきた。
声のする方を見るといつも明るい彼からは想像できない程の必死な顔つきだった。

「話してるトコごめん、でも緊急事態なんだ!会長が呼んでる!至急!!」
「緊急事態…?!」
「何かトラブルか?」

豊久くんの様子に三成先輩も声を掛ける。

「実はーー、」
「三成先輩」

「…?」

豊久くんの言葉を遮って私は三成先輩へ向き直る。



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