第1章 Pr.雨模様の晴天柄
……目を覚ます。
自分の身体に影が差しているのを感じ、恐る恐る顔を上げると……ボクの目の前に、脇から血を流した、あの赤いジャージの人がいた。
「だ……大丈夫か?」
「あ……あなた、なにしてるんです……!?」
ボクが目を丸くすると、赤いジャージの人……シンタローさんは、少し苦しそうに笑った。
「これも辻褄合わせの一環だ、少し合わせてくれ……」
シンタローさんがわたしに耳打ちする。そしてそのままその場に蹲ってしまった。そりゃあ当たり前だ。銃弾が当たったんだ、痛いにきまってる。
「ボクは大丈夫です、けど、あなたは……」
「この程度、平気だ……前のときに比べたら、俺だって丈夫になったんだからな……」
そういうシンタローさんは、なぜか信じられるような、そんな気がした。
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シンタローさんとともに、できるだけ流れ弾も跳弾もこない位置に隠れ、早30分ほど。シンタローさんがフラフラして来た頃、事態は収束した。
なんでも、途中手を焼いていた警官たちに一般人が助太刀したのだとのことだった。黒ずくめの、コスプレのような格好をした身長180cm超の男性だとのこと。また、事態を収束させるとすぐに逃げるようにその場を去って行ってしまったそうだ。
話を聞いている間、シンタローさんはずっと愉快なような、でもなんとも言えなさそうな、微妙な表情を浮かべていた。
ボクはといえば、シンタローさんの怪我の治療が終わるまでシンタローさんに付き添っていた。そうやって待機しているうちに、両親がボクを迎えに来た。
そしてお父さんがボクのそばにいるシンタローさんを見て一言。
「おぉ、伸太郎くんじゃないか!うちの娘を守ってくれたというのは、君だったのか!」
えっ?お知り合い?ボクがそっと首を傾げると、
そばにいるシンタローさんが、すまんと言いたげに苦笑してわたしの方を見たのだった。