第6章 ズルい男《今吉翔一》
「今吉さ、ん……っ」
「何や?」
先端から口を離し、私の方へ顔を向けニヤリと意地の悪い笑みを浮かべる彼。
「また何か不満でもあるん?」
「っ…それは……」
「ゆうてくれんと分からへん」
「…っ」
(分かってるくせに……っ)
この人はいつもこうだ。
私がして欲しいことを分かってるくせに知らないフリをする。
結局、私もこの人の策にまんまとハマってしまうんだけど。
たぶん惚れた者負けってやつ。
「……ワシ、素直な子が好きなんよ」
耳元に寄せられる唇から紡がれた甘い響き。
(ズルい……っ)
〝好き〟だなんて、そんなこと言われたら……。
「っ…、ココも…ちゃんと触って下さい…っ」
今吉さんを潤んだ瞳で見つめながら、彼の手を自分の秘部へと誘導する。
「ほんま可愛えな、自分。上出来やわ」
今吉さんは満足そうにニヤリと笑い、私の秘部を指でなぞった。
「ひゃっ、あぁっ…んっ」
「よお濡れとるやんけ。そんな触ってほしかったんか?」
「やぁあっ…、分かって、る…クセに…っ」
「せやから分からへんて」
「う、そ……っ、んぁっ」