第2章 災難《黄瀬涼太》
「やっ、そなしたら…っ、すぐイっちゃ」
「我慢しないで、イけば良いじゃないっス、か!」
「あぁっ!んん……っ!!」
イキそうになるのをギリギリのところで堪える。
(だって、まだ終わりたくない…っ)
そんな私の思いなんてつゆ知らず、黄瀬君はガンガンと私の弱いトコロを突いてくる。
初めて体を重ねるのに、もう何度も重ねたような、私の好きなトコロを知り尽くしたような彼の動きに、やっぱりカッコイイ人ってセックスも上手いんだなんてぼんやりと思った。
これだけカッコ良くて、性格も良いんだからモテるに決まってるし、女の子なんか選り取り見取りで選び放題だろうな。
彼はわざわざ私となんかシなくたって良い訳で。
この行為だって、きっと黄瀬君の気紛れで。
たぶん“一夜限りの”ってやつなんだろうな……。
(それでも…っ)
今この瞬間は彼は私だけを見てくれてる。
“慰めて”なんて嘘。
私はあなたに抱いてほしいだけだった。
だから、少しでも長く……。
「あっ…、やぁあっ!き、せく、んんっ」
「っ……ん、はぁ…っ」
「やあっ、イっちゃう…っ、やだっ、ぁ」
黄瀬君はラストスパートといわんばかりに腰の律動を速める。
「や、イく…っ、あぁっん」
「俺も…っ、」
「やぁっ!まだっ、まだイキたくな…っ」
「真由美っ」
「っ!あっ、やぁあ……っっっ!!」
彼に名前を呼ばれた瞬間果ててしまい、黄瀬君もその後すぐ私のお腹に欲を吐き出した。