第1章 僕らの幸せ
屯所を出て、俺たちはスーパーへ向かった。
と二人きりで歩くのは初めてで、俺から誘ったくせに恥ずかしいなんて、それを思うとさらに恥ずかしくなった。
俺が土方の代わりに行くといったのは、も行くというと思ったからだ。
「マヨネーズ買い終わったら公園でも行きやせんか?」
さすがにスーパーに行くだけじゃ物足りないんで、勇気を出して誘ってみた。
「え?いいんですか?せっかくのお休みなのに、」
「いいから言ってるんでィ、別にいやならこのまま帰ってもいいですぜ」
「いえ、行きたいです!」
「わ、わかりやした」
そうして無邪気に俺を見上げて笑う彼女に、顔が赤くなるのがわかって、俺は反対側を見て歩いた。
* * *
「つきやした、ここでさァ」
「わー!いい感じのところですね!!」
マヨネーズを買い込んで、ついた公園は木々の生い茂る俺のお気に入りの場所で、そのお気に入りの場所を教えたかいがあるな。と思えるくらいの笑顔で笑う彼女になんだかすっごくうれしくなって、
「はほんとによく笑うな」
「そうですか?」
そういってまたにっと笑った。
俺はベンチに腰掛け景色とをみる。
なんて幸せな日なんだろうか、
きらきらと昼下がり、周りから見ればただの恋人同士に見えるだろう。
は、俺のこと好きかな?