第6章 人のものってなんだか魅力的
沖田「さくら。思い出に浸るのも良いが、いい加減戻ってきなせェ」
『ハッ!』
回想を終え、名前を呼ぶ声に顔を上げると、そこにあったのはさっきまで思い浮かべていた総悟の顔。
『うわぁぁぁ!?』
驚いて5mほど後ずさる。
沖田「さくら…」
それを見た総悟は深くため息をつくと…
沖田「意識しすぎでさァ」
『してない!』
そして銀さんの前で言い放った。
沖田「そんなに心配しなくてもこんなに人がいっぱいいる所でキスなんてしませんぜ」
『な…』
銀時「キスゥゥゥゥ!?」
それまで事情を知らずに置いてけぼりだった銀さんが1番言われたくないところを大声で復唱した。
『ぎっ銀さん!声でか…』
銀時「てめー!うちの娘にキスしやがったのか!?」
『声…』
銀時「なんとか言えよぉぉ!キスしやが…ぐぁっ…!」
恥ずかしいことをベラベラと叫びまくる銀さんにコブラツイストをかける。
『うるっせぇ!いつから私はお前の娘だ!大体あんたと私じゃ年もそんなに違わないでしょうが!』
銀時「ちょ…ギブギブ…離、せ…ブハァ!」
手を離すと、銀さんは勢い良く酸素を吸い込んで叫んだ。
銀時「てめぇはジャイア○ト馬場か!」
『いいえアント○オ猪木です』
銀時「どっちでもいいわぁぁぁ!」
銀さんは何故か大激怒。
でもこれは誰がどう見ても銀さんが悪い。
『銀さんが悪いん、です…よ』
キレる銀さんを窘めようと顔を上げると、視界にとんでもないものが飛び込んできた。
沖田「チッ」
慌てて銀さんの背中に隠れる。
銀時「またか…今度は誰とかくれんぼしてんだ…?」
銀さんが背中を振り返って硬直する。
銀時「おま…大丈夫か?顔…」
それもその筈
銀時「真っ赤だぞ」
私の顔はさっきとは比べ物にならないほど真っ赤だったから。