第2章 黄瀬涼太による恋愛指南?!
「ほら、さっさと朝練しろよ」
「へーい…」
やる気のない返事をしながら、黄瀬は俺の手を離して部室に入って行った。はあ…なんで俺なんかを助けようとしたんだろうか?
「どーでもいいか…」
あいつに助けられる事はあっても惚れる事は…あながち、アリかもしれないが…そこにさっき、挨拶を交わした桃井が駆け寄ってきた。
「氷童ちん!ちょっと手伝って欲しいんだけど…」
「ん?なんだ?」
「ミニゲームに使うゼッケンを洗って欲しいの」
そう言って籠いっぱいに入っているゼッケン籠を差し出された。
「結構、あるんだな…」
「そりゃあ、部員数は毎年100人を越える強豪校だからね」
「まあ、そうだな…これだけないと部員全員着れないからな」
頷きながら、籠を受け取り、洗濯機のある体育館裏に移動した。薄暗いが洗濯機はまだ新品みたいな白さを誇っていた。その洗濯機に大量のゼッケンを入れ、洗剤と水を適当な量を入れて洗濯スタートボタンを押す。
「…意外に頑張ってんのな、桃井は」
ガコンガコンと洗濯機が奇妙な音を立てて回り始めた。洗濯が終わるまでの間、練習風景でも見てようと体育館の中に戻った。相変わらずの激しい練習だ。