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【ハイキュー!!】青春直下の恋模様【短編集】

第2章 HCOOCH3(菅原孝支)


「脳の神経細胞って、宇宙と似ているでしょ?」
まずその一言目から菅原にはピンと来なかった。頭の上にクエスチョンマークを浮かべる菅原を見てなまえは「パワーズ・オブ・テンって映画、知らない?」とくすくす笑った。

「私たちの生きている地球は、宇宙空間に浮かんでいるでしょう?地球を含めて、1000億個の星が集まって、銀河ができているの。そうして、同じように銀河がさらに無数に集まって、宇宙はできてる」

そこまでの話なら菅原も聞いたことがある。考え出すと、こわくなるからあまり考えないようにしているが。

「途方もない数の星たちが集まって宇宙はできているわけだけれど、その宇宙の銀河の配置を描いた構成図は、私たち人間の脳の中の神経細胞を拡大した画像と非常によく似てるんですって。」
なまえは幸せそうに言葉を紡いだ。

「だからね、この永久に続いてるかのような宇宙は、本当は誰かの頭の中の、ごく一部分のニューロンで、私たちの住む地球はその中の、言葉では表せないほどずっとずーっと小さな点にすぎないんじゃないかって、私、思うの。

おんなじように、私の頭の中の1つ1つの神経細胞にも宇宙が広がっていて、その中には無数の銀河と、地球と、そして私たちがいるんじゃないかしら」


カチ、カチ、とピースが噛み合う音がした。


...そうか...


淀みなく話すなまえの話を聞きながら、菅原は身震いしていた。


...みょうじは、おかしな子なんかじゃない...


目の前のもやが急に晴れたようだった。

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