第4章 過去、過去、過去
心夏「おっ、おはよう…!」
アーサー「…?あ、心夏か、はよ」
アーサー君はいつもより5倍ぐらい優しい笑顔で挨拶を返してくれた。
昨日色々あったせいでなかなか寝られなくて、朝早く学校に来た。
心夏「アーサーくん、いつもこんなに学校来るの早いの?」
アーサー「いや、そんなことないぞ?今日は早く目が覚めたからな」
心夏「そうなんだ」
なんか、アーサー君の気持ち知ったとたん、自然体で話せない…。でも、早く返事しないとっ…
心夏「あ、あのさ、アーサー君、昨日のことなんだけど…」
アーサー「そ、その事なんだが…
いいぞ、返事しなくて。わかってるから」
心夏「え、え……?」
苦笑いするアーサー君。
アーサー「お前、本田のこと、好きなんだろ?」
心夏「な、なんで…!?」
アーサー「わかりやすいんだよ、お前は」
心夏「いった…」
私のおでこにデコピンをしてくるアーサー君。
なんでそんなに明るく会話できるのかな?
アーサー「あ、ほら 本田が来たぞ、行けよ」
心夏「で、でもアーサー君が…」
アーサー「向こうにアルフレッドがいるから、ほら、行ってこい!」
私の背中を押し、下駄箱に向かうアーサー君。
心夏「じゃ、じゃあね… 本田くん、おはよう!」
菊「あ、おはようございます、アーサーさんと何話していたんですか?」
…いや、言える筈がない。
菊「…?」
心夏「い、いや なんでもないよ…」
--------------------------------------------------------------------------------------------
アーサー「おい、アルフレッド、俺のことカッコ悪いって笑うか?」
アル「いや、今日の君は頑張ったな、お疲れ。」
アーサー「知った口聞くな、ばぁか」