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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第37章 腕相撲









執務室で一人になったエルヴィンは笑いを堪えることが出来ず、
珍しく声を出して笑った。



ナナシの動揺が目に見えて酷いものだったのが
愉快で堪らなかったのだ。

必死に隠そうとしているのがバレバレで、
普段の彼からは想像もできないくらい狼狽えている姿は
見ていて楽しかった。


きっとナナシは近々『狼』について
エルヴィンに語り聞かせてくれることだろう。

エルヴィンの言った事はハッタリだったが、
エッカルトの日記がある限り
ナナシにハッタリを突き通す自信があった。

何も知らないとは考えず、
ナナシはエルヴィンが知っている情報がどの程度のものか
探りに来るはずだ。


彼がエルヴィンの下を訪れた時、
根こそぎ情報を吸い上げてやろうとほくそ笑む。




徐ろに隠しておいた日記帳を取り出し、
エルヴィンはそれに目を通し始めた。


溜まった仕事もあるが、
日記を読み進めておく方が重要である。


ナナシと『狼』について語り合うには情報が欲しいのだ。






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