過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第24章 ドキドキの治療法
「へぇ~、これで手の痛みが無くなるなら凄いね」
「治りは早くなるが、治った訳じゃない。
適切な治療は継続すべきだ」
「でも便利だよね」
「そうでもない。一歩間違えれば死に至らしめることも可能だ」
そして今は運悪く(?)戻ってこないミケを呼びに来たナナバが
腕に鍼を刺されていた。
エルヴィン達よりも太い鍼を使用されているにも関わらず
痛くないようで、ナナバは微笑を浮かべながらナナシと会話している。
「で、どうしてナナシはここにいるの?」
ズバッと単刀直入に聞いたナナバに、
その理由を聞かされていないリヴァイ達は心の中で拍手喝采を送った。
監視しようとしていたはずのナナシがエルヴィンの部屋にいるのを見た時、
暗殺しに来たのか?と勘ぐったぐらいの驚きだった。
「大人げなくボコった詫びと、別れを言いにな」
「別れ?」
その言葉にぴくっと反応したのはエルヴィンで、
鍼が刺さった状態のまま身体を起こすと、
どういう事かと詰め寄った。