第17章 最終章〜bitter&sweet1〜
その頃、江戸城では
春日局が決意を新たにしていた…
……………………
私は江戸城に骨を埋める身…
もし瑠璃の心が手に入ったとしても
彼女を手元に置いておくことは
できない…
しかし。
瑠璃のいない日々…
それはもはや考えられない
ところまで来ていた。
家光様と瓜二つの瑠璃を
江戸に留め置くのは危険だ…
しかし護衛を付け
少し離れた場所に住まわせば…
時折通うことはできるだろう。
幕府の要職に就きながらも
一人の女性を愛す…
決して不可能ではない。
そうだ、寺の近く、いや
寺に匿えば、参拝のおりに…
その頭脳を、この様なことに使う
こと自体およそ彼らしく無かったが…
寝る間も惜しみ、一人着々と
計画を練って行く春日局だった。