第32章 -関係-(宮地清志)***
パンパンパンパンッ‼︎‼︎
な…なに⁈
宮地の唇がわたしの唇に触れた…
その瞬間、ものすごい音がして、
わたしは思わず、
宮地の腕をギュッとつかんだ。
「いや〜よかったよかった!」
「はぁ…やっとかよ。」
「長かったなぁ。」
「宮地さん、
お誕生日おめでとーございまっす!」
「やっぱり…
ラッキーアイテムは絶対なのだよ。」
ものすごい音は、クラッカーで、
その音とともに、
裕也に大坪に木村、高尾に緑間、
他にも残っていた男バスメンバーが
次々と体育館に入ってきた。
緑間がケーキを持っていた。
「み…みんな…?」
「おまえら、帰ったんじゃ…?」
わたしと宮地は、ポカンとして、
皆を見ていた。
「こーんな面白いもん、
見ないで帰るわけねーだろ?」
…っ⁈
裕也のことばに固まってしまう。
「全部見てたの⁈」
「まぁな♪」
すぐに頷く木村…
皆、うんうんと頷いている。
「き…聞いてない‼︎
人払いして帰るって言ってたじゃん!」
「その後変わったんだよ。」
「すみれさーん!
オレ、ちゃんとムービー撮ったから、
あとで送りますねーっ♪
最後のキスシーンもバッチリ♪」
「「ムービー⁈」」
宮地と同時に高尾を見ると、
高尾はムービーを再生し始めた。
「高尾ーーっ‼︎」
「お…おまえら…」
「「「「(…ギクッ‼︎)」」」」
宮地の一段と低い声に、
皆一斉に固まる。
「おまえら、ふざけんなよ⁈
オレとすみれの時間邪魔すんな‼︎
おまえら、全員轢くっ‼︎」
思いっきりキレている宮地だったけど、
皆にお祝いしてもらえて、
どこか嬉しそうな宮地だった。
宮地が落ち着いてから、
改めてケーキのろうそくに火を付けて、
皆で宮地の誕生日をお祝いした。
”HAPPYBIRTHDAY 清志‼︎
大好きだよ!
わたしと付き合ってください!”
ポッキーに書いたメッセージ…
ポッキーは、
次の日、清志と一緒に食べた。
でも、ポッキーのパッケージは、
清志は宝物だと言って、
一生捨てないと言っていた。
ちょっとこっぱずかしいけど…
とても嬉しかった。
大好きだよ、清志。
---End---