第27章 -水着-(日向順平)
ガチャ…
「そりゃ、
日向くんのせいに決まってるでしょ!」
「「「うわぁぁっ⁈」」」
ノックもなしに突然開くドア…
それと同時にカントクの声…
部室にいたオレらは全員
素っ頓狂な声を出してしまった。
「なに皆して
情けない声出してるのよ。
今更皆の裸見たって
なんとも思わないってば。」
「そりゃそうだけど…
リコ、せめてノックくらい…」
「何よ?鉄平は”視”とく?」
「…いや、大丈夫だよ。」
木吉のことばも虚しく、
カントクはそのまま続けた。
「それより日向くん!
さっさとすみれちゃんと
仲直りしなさいよ!」
「カントクまでなんなんだよ?
カンケーないだろ?」
オレは不機嫌なまま、
カントクのことばに言い返した。
「ふぅん。そんな言い方するんだ〜?
そうね〜。カンケーはないわよ〜♡
でも、カンケーはないけど、
そんな言い方するなら、
すみれちゃんが怒ってる理由、
ぜーんぶバラすわよ♡」
「な…っ⁈」
カントクの黒ーーい笑顔に
今度はオレが固まる番だった。
「なになに?やっぱケンカしたのー?」
「ほんっと日向くんて子どもよねー。
実は…」
うぁぁぁぁっ…
すみれから聞いていたらしく、
カントクは結局全部話してしまった。
「それはすみれちゃん怒るわー。」
グサッ…
伊月のことばは刺さる…
「日向さんて…
意外とガキだったんすね。」
グサグサッ…
火神に言われるともっと…
「日向、小っちゃー。」
グサグサグサッ…
コガはかなりストレートに…
次々と浴びせられるオレへの批判…
「まぁ、日向の気持ちも
わからなくもないかな。」
「木吉っ‼︎」
唯一オレに味方してくれたのは、
木吉だけ。
オレは初めて木吉に感動していた。
「すみれちゃん、
こないだのプール練の水着も
英語読めな…」
ガンッ!!
「…いってぇ。はは…っ。」
オレの感動を返せ!
とりあえず木吉はまた殴った。
「2人で海に行くより、
知ってるメンバー多いほうが、
よっぽど皆にすみれちゃん、
見られちゃうんじゃないの?」
う…っ。
冷静な土田のことば…。