第14章 -告白-(虹村修造)★
-虹村side-
「あ!赤くなったー!可愛い♪」
そう言うひかりさんは、
オレの顔を見てクスクス笑っていた。
「…んな、急にそんな話されたら、
こっちだってビックリしますよ…。」
はぁ…。
相変わらずこの後輩扱い…。
弟感丸出しだ…。
「お昼の続きだもん。
わたし、最後まで聞けなかったし。」
「…なにがですか?」
周りに飯田たちがいないから、
少し余裕がある。
オレはジッとひかりさんを見つめた。
「虹村くんはチョコほしいの?
ほしくないの⁇」
今度はひかりさんが、
オレの顔を覗き込んできた。
…っ⁈やべ…やっぱり可愛い。
「ほしい…です。」
ひかりさんのなら…とは言えなかった。
「ほんと⁈」
「いや…まぁ。
さすがにバスケ部皆にあるのに、
オレだけないって…なんつぅか…。」
「…っ⁈あ…そっか。そうだよね。」
…⁇なんで焦ってんだ⁇
「ひかりさんは
本命チョコあげるんですか?」
ひかりさんが黙るので、
オレは気になっていたことを聞いた。
「えっ⁈わ…わかんない。」
…‼︎
”わかんない”ってことは、
本命いるんだな。
平澤さん…か。
「虹村くんは…もし、
バスケ部皆にあげる分以外で、
わたしがあげたら…もらってくれる⁇」
…⁈
それって本命ってコトか⁈
「あ…あの…その…お礼っ!」
「お礼?」
ひかりさんにお礼されるようなこと、
特にした覚えはない。
「ほら、運動会の時…!
【コスプレ着てる可愛い人】に
選んでくれたでしょ?」
「…っ⁈」
あの時のこと…その後の保健室…
全部鮮明に覚えていた。
「すごい嬉しかったの。
虹村くんが選んでくれたこと。
お姫さまみたいだったしね(笑)♪」
「そういえば、飯田たちが
そんなこと言ってました。」
「え?」
「ひかりさんのこと…
”お姫さま”って。」
「…っ⁈それは、
お姫さま抱っこされたからでしょ?」
ぜってぇ違う。
ひかりさんだから”お姫さま”ってのが
ピッタリなんだ。
「虹村くんにあげてもいいかな?
迷惑じゃなかったらだけど…」
恥ずかしそうに微笑みながら言う
ひかりさんは
本当にお姫さまみたいだった。
オレは照れて返事ができなかったが、
コクンと頷いて、練習に戻った。