第72章 強くなりたくて……〈岩泉一〉
「そう言えば、バレー部は今年は全国行けそうなの?」
昼休みに屋上で一とお昼を食いながらそう聞いた。
一「行けそうじゃなくて、行くんだよ。白鳥沢も全部倒して、ゼッテー行くんだ。」
「おースゴいヤル気だね!今度応援行くよー!」
一「おーサンキューな。つーかお前はどうなんだよ?お前も全国とか狙ってるんだろ?」
「…当たり前じゃん!そのために毎日バドのことしか考えてないもん!」
一たちが頑張っているのを知ると私も負けてられないと気合いが入る。
一「…まぁ頑張るのはいいけどよ、授業中は寝るなよ…テストとかもあるんだからよ。」
「わかってるし!つーか、一に言われるほど頭悪くないから大丈夫だもん!」
一「お前…言うようになったじゃねーか…。」
「だって、ホント事だもんー!」
なーんてと話してたら…。
徹「ちょっとちょっと、何昼間から夫婦喧嘩してんのー?」
あぁ、もう1人の幼馴染み忘れてた…。
「違っての!徹うるさい。」
一「ちょっと黙ってろウザ川!」
これも私の幼馴染み。
こんなんだけど、バレー部の主将で結構スゴいんだよね……。普段はウザいけど…。
徹「ちょ!2人してひどくない?!って言うか俺ほとんど話してないよね!?」
一「別に普通だろ。」
「うん。いつも通り。」
これが私たちのいつもの会話。
それが私にとって意外と居心地がよくてちょっぴり幸せな時間。