第50章 もし……叶うなら〈松川一静〉
*朱鳥
「ねぇ、今度男子バレー部練習試合あるみたいなんだけど、一緒に見に行かない?」
部室で部活の準備をしながら私は同じバド部の友達に言った。
友1「いいね!及川先輩のプレー見たい!」
友2「ついに朱鳥も及川先輩のファンになったのか~!」
「え?…いや……。」
私は盛り上がる友達二人に言葉につまる。
友3「二人とも知らないの?この子、及川先輩じゃなくて松川先輩が好きなんだよ?」
と、急かさずもう一人の友達が言う。
「ちょ、言わないでよ!!」
友1「えーーー?!なんで!!?普通、及川先輩でしょ?」
友3「何でも一年の時、委員会でお世話になったらしいよ?」
「だから、言わないでってば!!」
私は恥ずかしくなり、ペラペラと教える友達を止める。
友2「へー。でもちょっと意外かも。」
不思議そうに言うと友達に私は恥ずかしながら答えた。
「だって、いろいろ教えてくれたし、優しくて…。それに、部活でもカッコイイし…。」
友1「まあ、朱鳥がいいなら私たちは応援するけどね。」
友2「告白はしないの?」
友達のその台詞に顔が熱くなった。