第39章 バレンタインは憂鬱で〈二口堅治〉
私は勇気を振り絞って鞄からチョコの入った箱を取り出して堅治の前に見せた。
「……こ、これバレンタインのチョコ。堅治にあげる……。」
堅「…これって、本命?それとも義理?」
チョコを見るなりそう聞いてきた。
「い……一応本命……。」
私は少し恥ずかしくて目を背けた。
堅「ふーん。じゃあ貰っとくわ。」
それは私にとって思いもしなかったことだから
驚いて堅治の方を向いた。
「え!?な、何で?本命の子からしか貰わないじゃ無かったの?」
堅「……はぁー。お前どんだけ鈍いの?」
「へ?」
堅「朱鳥なんだよ。俺の本命って!」
「………え?」
私の頭の中にはハテナがあふれた。
ハルちゃんが言ったことなんて、ただの想像と思っていたから。
堅「ったく、いつくれるのかとずっと待ってたのにお前全然渡しに来ねーだもん半分諦めてたわ。」
「ほ…本当に?」
堅「このタイミングで嘘つかねーだろ?」
「……っ!もう!何か恥ずかしくなってきた!!
堅治バカっ!」
堅「な、何でだよ!?」
「だ、だって……。」