第2章 心を閉ざした君 〈及川徹〉
及「……朱鳥ちゃんは……なんでそんなに人と関わろうとしないの?」
「!」
一瞬動揺が見えた。
「…すいません…。私用事思い出したので帰りま…(ギュッ)…!?」
急いでその場を立ち去ろうとした朱鳥ちゃんの手を握った。
及「なんで逃げるの?」
「…別に逃げようとしたわけじゃ……。」
及「じゃあなんで目を合わせないの?」
いつもは真っ直ぐ相手の目を見て話すのに朱鳥ちゃんのことに聞いた途端目を合わさなくなった。
「………。…あの、手…痛いです。放してください…。」
逃げようとする朱鳥ちゃんの手を俺は強く握っていた。
及「じゃあ言って?………悪いけど本当の事話してくれるまでこの手、放さないからね。」
「………。ハァーー。」
少し息を吐いた。
それと同時に握っていた手から今まで抵抗しようとする力が抜けるのを感じて俺も力を抜いた。
でも放しはしなかった。逃げるのを防ごうとしたわけじゃない。
…だだ手を繋いであげたいと思ったから。
朱鳥ちゃんはソッと再びベンチに座った。
そして………話し出した。
「私………怖いんです。」