第2章 もう一つの魔法の世界
帝都に着いた俺は小走りで応接室に向かった。
ムーさんが見張りをしてたからすぐに入れさせてくれた、有り難い。
『失礼します アギト、只今参りました』
応接室の扉にノックをすると返事がしたので入った。
中にはシェヘラザード様と考古学者らしき人が二人向かい合って話していた。
丁度話が終わったみたいで、学者さんは部屋を出た。
「遅くなってすみません 遺跡の場所が判明しました」
『本当ですか!?』
驚いた俺をまずソファーに座る様に促し、地図を広げて説明してくれた。
レーム帝国の中でも随分端っこのところに指を置いた。
「この近辺にアクローネ遺跡があるそうです
先程の考古学者との話で確信しました、私が見た壁画は此処にあります」
『アクローネ遺跡…』
「考古学者達の中でもこの遺跡を知る者は本当にごく僅かしかいないそうです」
だから今まで聞き込みしても情報が入らなかったのか。
「しかしこの遺跡にはトラン語とは別に解析されていない文字も存在するらしいです
それにトラン語で記されたものはごく僅か…恐らく元々記されていた文字をトラン語で訳そうとしたのだと思われます」
『成程 貴重な情報をありがとうございます』
「行くのですか?」
『はい そこに行けば何かがわかるかもしれませんから』
シャンバルさんが言ってた壁画も此処にあるかもしれねぇ。
見れば何かわかるかもしれないしな。
「この辺りは岩山や崖ばかりなので徒歩でしか向かえません 十分に注意してください」
『わかりました 本当にありがとうございました』
俺は帝都を出て簡単に準備を済ませた。
食糧や飲料水を買って"ジッパー"に仕舞った。
『アクローネ遺跡…』
俺は遺跡を目指した。