第2章 もう一つの魔法の世界
俺は…雨が降ってたから外に出た。
なんとなく雨に当たりたかった。
『……』
雨は好きだ。
嫌な事も洗い流してくれるみたいで。
涙を流しても気付かれない。
…泣かねぇけどな。
『…なぁ…エリュシオン』
俺さ、アンタに会わなかったらどうなってたんだろうな。
優しい人に拾われてたのかな。
奴隷として働かされてたのかな。
アイツ等に会う事はなかったのかな。
妖精の尻尾のみんなに会う事もなかったのかな。
まず…生きてたのかな…。
人体実験されるのが運命だったなら、
アンタと俺が会うのも運命だったのかな。
じゃあ、俺がこの世界に来るのも…運命なのか…?
なぁ…
運命って…何なんだろうな…
『…教えてくれよ』
(親父…)