• テキストサイズ

彼女はボクに発情しない

第30章 交響曲 ”彼女はボクに発情しない”


「あ!来た、来た!おーい!!」
ルリがぴょんぴょん跳ねながら手をふる。振り返ると、髪を下ろし、愛らしいメガネを掛けた優子が走ってきた。ごめんごめん、と手を合わせる。

「電車乗り間違えちゃって」

彼女が弦次やルリの輪に入ると、あっという間に昔話に花が咲く。

優子がとん、とボクの肩口を拳で小突いた。
「やるじゃん!陽太くん。・・・医学部入学おめでとう」
いっぱいいっぱい悲しい思いやつらい思いをさせたはずなのに、彼女はこうして笑ってくれる。胸が痛むと同時に、優しい気持ちにもなる。

「私は、知ってたけどさ。陽太くんなら、やるってさ」
へっへーとまた優子が笑った。相変わらずのふんわりとした温かい笑みだ。
そして、皆が話をしている中、不意に耳元に顔を寄せてきた。
「あとで、二人で話そう」

ふわりと、いい匂いがする。ボクが、好きなコロンの匂いだった。
/ 294ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp