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彼女はボクに発情しない

第29章 組曲:月下の夢 ”北極星”


の引きつった笑顔、重い足取りを見るに、多分、これも効果は十分だったと思う。

それでも、最後に本当の気持ちが漏れてしまった。
『お兄さん!!を・・・お願いします』
深く、深く、頭を下げずにはいられなかった。ボクの、唯一の希望。の幸せの鍵。
予定にないことを言ったからか、にバレたらどうするつもりだ、と思ったのだろう。響からは『バカヤロウ』と言われてしまった。
ただ、『当たり前だ!』と、たかだかと拳を振り上げたその姿、その目に嘘はないと信じることができた。

うなだれたが空港の奥に消えていく。
ボクの手の届かないところに行ってしまう。
結局、ボクは守ることができなかった。
その身体も、心も。何もかも。

これが、ボクの物語。
決して結ばれることがないのに、期待をしてしまった、愚かな男の恋の結末。
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