第28章 組曲:月下の夢 ”朱い月”
「ちょうど、が休んだじゃん?それで、デートしてさ・・・」
「えー!!!キスしたぁ!?」
「そうなんだよ!そしたら、優子ちゃんが教えてくれたんだよね・・・、優子ちゃんとでって『どっちが先にボクとキスするか』で競ってたってさ。いやあ~モテモテなわけよ、ボクってば」
ぐおー!羨ましいぞー
死ね〜
などと口々に言う男子。彼らとじゃれているらしい陽太が、やめてやめてと笑いながら言っている。
全てが、遠い国の出来事のようだ。
まるで、現実感がない。
「ってば、ボクに選んでもらえるって思ってたんだろうけど・・・やっぱ優子ちゃんだよね〜。幼馴染ってだけだもんね〜」
ははは、と笑う陽太の声が頭の中でぐるぐると響く。
モウ・・・ヤメテ・・・。
ワカッタカラ・・・ワカッタカラ・・・。
最初から、夢なんて見なきゃよかった。
そうだ・・・そうだよ。こんな淫乱女、好かれるわけなかったんだ。
愛される、わけなかったんだ・・・。
どこをどう歩いたのか、記憶がないまま、歩いていたらしい。
いつの間にか、私は家についていた。