• テキストサイズ

彼女はボクに発情しない

第14章 組曲:夏の夜の願い ”優しい祈り”


どうやら、舞台上では個人部門の表彰式のようだ。1位の人はお米券、5万円相当だそうだ。必要かどうかは別としてなかなか豪勢だ。

「では、最後に優勝者から一言!」
「はい、ここに誘ってくれた、親友に感謝します。それから、私の初恋が叶うように、頑張ります!」

なんか、コメントが可愛い。どんな子だ。見たい・・・。ボクが首を伸ばして舞台を見ようとするのを、係の人の声が非情にも邪魔をする。

「はい。カップル部門、始まりますので、こちらから舞台袖に来てください!」

あああ・・・ゆっちゃーん・・・。ボクは後ろ髪引かれる思いで舞台袖に移動をし始めた。

カップル部門の出場者のアピールが次々進んでいく。今気づいたのだが、カップルといっても、このご時世、男女とは限らないようで、男・男ペアや、女・女ペアもいた。

今アピールしているのは、エントリーナンバー6番の「さゆりとミキ」と名乗る女性ペアだ。

「私達、親友同士なんですけど、ミキの家が実は神道で、その縁でこの神社に来ました」
「今日の浴衣のポイントは、現代風のミニの浴衣と、お花のように結んだ帯です!二人おそろいなのもポイントです!」

え?ミニの浴衣って何?

さっき説明を聞いてたときには、会場の方に注意がそれていて、出場者の方をよく見ていなかった。それが悔やまれる。もちろん、今、顔を出して会場を覗くわけにはいかない。出場者はアピールが終わると、ボクらがいるのと反対の袖にはけてしまうので、自分たちがはけるまでミニの浴衣とやらを見ることはできない。うーん・・・残念。

一体、どんな浴衣なんだ・・・。

「えっと、今日したお願いごとは、私は『志望大学に受かりますように!』で」
と、さゆりちゃん。
「私は、『母の病気が良くなりますように』です」と、ミキちゃんが言った。

ミキちゃん、ええ子やな・・・。さゆりちゃんも頑張りやー。
考えているうちに、あっという間に自分らの発表順になる。

7番目の男ー男のカップルがはけていく。

「では、最後、エントリーナンバー8番 ホルンさんとランナーさんです」
そう、ボクらは仮名でエントリーすることにしたのである。万が一にもが『発情』した場合を考えてのことだった。

まあ、舞台上にはお姉さんしかいないし、ここで発情することはないはずであるが、念のためである。
/ 135ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp